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「肩こりの物語」その10

記念すべき?第10回目となりました。
「この話、いつまで続けるんですか?」とスタッフに聞かれてしまいました(笑)

あと数回かと思います。

「長引く痛みの2つの原因」の前に、その後の肩こりの状態についてお話したいと思います。

・どんな治療も自分には効果がない
・整形外科医だが、整形外科的には問題がない
・生きている以上、首も腰も力学的負担はかかっている
・身体表現性障害という疾患がある
・ストレスは体に症状として現れる
・腰痛は怒りでも生じる

この頃はこれくらいのことが分かっている状態でしたが、不思議なことに、あれほど苦しんでいた肩こりがだんだん和らいできていました。
マッサージもせず薬も飲まず、注射も行わずにです。

それはどうしてなのか?

例えば、怒りは自分の中にあるのか、ということも掘り下げてみました。
肩こりが発症したきっかけは、確かに大きなストレス、怒りだったと思います。
しかし、その後環境が変わってストレスも少なく、あまり怒りがないと思われる状況でも、吐くほどの肩こりは変わりませんでした。

どうしてなんだろう…と痛みの勉強を続ける中、ある日、

「これは、日常的な軽度のストレスすらも、肩こりとして出す『クセ』がついてしまっている状態だ」

ということを理解したのです。

 

その後、日に日に症状が改善していったのです。

そういう「クセ」が自分にあること、誰でもそうなる可能性があること。

これにしっかり気付き、自分に言い聞かせる工夫をすること。
それだけでもここまで楽になる、という確信を持ったのです。

 

これは勉強の過程で、結果的に自分自身で認知行動療法(後述)を行っていたと言えます。

※いつも書いていますが、もちろん体からのアプローチも重要です。

その後、痛みの臨床・研究で日本一と言える施設で働き、学ぶ機会に恵まれました。
ここで、自分の考えが間違っていなかったことを認識でき、次回お話しするストレスの身体化、疼痛閾値の低下の概念をはっきりつかめたのはもちろん、認知行動療法に出会ったのです。

 

~「肩こりの物語」その11に続く~

 

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