「肩こりの物語」その6
研修医として働きつつも、肩こりへの興味は変わりませんでした。
自分のことだからなのはもちろん、「調べれば調べるほど原因が良く分からない」のも理由だったと思います。
例えば、皆さんが転んで擦り傷ができ、そこに細菌が入り化膿したとします。
これは擦りむいた部分の「感染症」という状態で、膿を出し、抗生剤(細菌をやっつける薬)を飲めば良くなるのはイメージがわきやすいと思います。
現代医学であればこのようになんでも説明がつきそうに思われがちですが、実は分からないことはたくさんあります。いや、残念ながら分からないことがほとんどなのです。
まだトリガーポイント注射(麻酔薬を局所に注射するペインクリニックでの治療法)は続けていましたが、肩こりは全く改善していませんでした。良くもならなければ悪くもならず、すでに「こっているのが当たり前」になっていました。
そんな折、家族に「それは精神的な問題が原因じゃないのか」と言われました。
その言葉には非常に腹が立ち、「人のことを頭がおかしいとでも言うのか」と反論しました。
「精神的な問題などで、こんなに肩がこるわけはない」と思いましたし、そもそも自分にそんなストレスがあるように思われませんでした。
ただ、「ストレス性胃潰瘍」という状態があるように、確かにストレスと体には何らかの関係があることまでは否定できませんでした。緊張すれば心臓もドキドキしますしね。
肩こりはともかく、「痛みと精神的な問題の関係か・・・今まで考えたこともなかったが、これは面白いのではないか」と思うようになりました。
ちょうどその頃、スーパーローテーション(研修医が内科・外科など各科で働きながら学ぶこと)で、精神科にて学ぶ機会が訪れました。
~「肩こりの物語」その7に続く~
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